マンションの相続税評価額の計算方法|節税対策も併せて解説
相続税評価額とは、相続税を計算する際の相続財産の価値の基準を意味します。
相続財産、とりわけ不動産の評価には、現在の市場価格を基準として算出される「相続税評価額」と、相続人が実際に取得することができる価格である「実勢価格」の2つの方式があります。
実勢価格は実際に取引が成立した金額から、相続税評価額は、路線価など国税庁の基準によって、その金額が算出されます。
本記事では、マンションの相続税評価額の計算方法を解説し、節税対策についても併せて解説いたします。
マンションの相続税評価額の算定方法は?
マンションにおける相続税評価額の計算方法は、①建物評価額の算定、②土地評価額の算定、③両者の合算の3段階で求められます。
建物評価額の算定
建物評価額は、いわゆる上物、建物に対しての評価額です。
建物評価額は固定資産税評価額と同額のため、計算の必要はありません。
なお、一般的に固定資産税評価額は購入価格の7割程度と言われています。
土地評価額の算定
土地評価額は、字の通り土地に対する評価額です。
マンションの場合はマンションの敷地全体に対する自分の持分を用いて、計算します。
土地評価額の計算は路線価が定められているかによって、計算方法が異なります。
①路線価が定められている場合
以下の計算式で土地評価額を計算できます。
なお、マンションの敷地面積とはエントランスなどを含んだ上での専有部と共有部の合算値になります。
②路線価が定められていない場合
以下の計算式で土地評価額を計算できます。
土地評価額と建物評価額の合算
このように計算して、求められた土地評価額と建物評価額を合算して、最終的な相続税評価額を算出します。
節税対策について
相続税評価額を減らすためには、節税対策を行うことが必要です。
以下に、代表的な節税対策を3つ紹介します。
マンションを予め贈与する
マンションを贈与する場合は、不動産取得税が課されます。
不動産取得税は相続税に比べて税率も低く、住居用の軽減措置なども存在します。
しかし、相続税のような多額の基礎控除や特例制度は存在しません。
したがって、どちらを利用した方がより節税効果が高いのかを検討する必要があります。
賃貸物件として運用する
この方法はマンションを賃貸物件として運用して、収益を得るのと同時に特例を適用する手法です。
賃貸目的で利用するマンションは特例の適用によって、相続税評価額が居住用マンションの7割へと減額されます。
しかし、賃貸として運用する際の管理や費用がかかることには注意が必要です。
タワーマンションや高階層の部屋など高価値物件への住み替え
この対策は同一物件における節税対策ではありませんが、代表的なマンション節税対策の一つです。
この手法は、相続税評価額が土地の広さや自己の持分の割合などによって決定され、タワーマンションや高階層といったマンションならではの付加価値が考慮されないことが背景にあります。
まず、高価値の物件をあらかじめ購入し、相続の際に相続税評価額に基づいて相続税を支払い、相続後に売却をすることで相続税評価額と売却価との価格差で節税を行うという流れがこの手法です。
これから、住み替えや物件購入の予定がある方であれば、有効な対策です。
しかしながら、マンションの価値は不変ではなく、下落した結果、損をすることもあるので十分に注意が必要です。
相続に関するお悩みは久川秀則税理士事務所にご相談ください
久川秀則税理士事務所では、相続に詳しい税理士が在籍しております。
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