【税理士が解説】相続税申告を自分で行う際の注意点
相続税申告を自分で行いたいと思われる方もおられると思います。
今回は、相続税申告を自分で行えるのか、自分で行う際の注意点についてご紹介します。
相続税申告とは?
相続税の申告とは、相続や遺贈により取得した財産の合計が基礎控除額以上の場合に必要な手続きのことです。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。
遺産の相続が基礎控除額以下の場合、相続税はかかりませんし申告も不要です。
基礎控除額を超える場合、税務署や金融機関などに納税する必要があります。
被相続人が亡くなったことを知った翌日から10か月以内に相続税の申告を行わなければなりません。
相続税申告を自分で行うことは可能か
相続税申告は、税理士などの専門家に相談することが多いイメージですが、自分で行うことも可能です。
財務省が作成している「令和4事務年度国税庁実績評価書」の中では約14%の方が自身で相続税の申告している結果が出ています。
相続税申告を自分で行う際の注意点
相続税申告を自分で行う際の注意点をご紹介します。
財産全てを把握し申告する
相続税の申告に相続財産の漏れがないように調査する必要があります。
相続財産とは土地や家屋、株、現金、預貯金、宝石、自動車などです。
他にも見落としがちな貸付金や特許権、著作権などさまざまな形態のものが含まれます。
プラスの財産だけでなく、借金やローン、未払いの税金などのマイナス財産も把握し申告する必要があります。
マイナス財産を申告すると、遺産の総額からマイナスの財産分の金額を差引くことができるため重要です。
遺産が未分割でも申告期限内に行う
遺産相続には多くの手続きや相続人同士の話し合いが必要なため、遺産分割がすぐにできない場合もあります。
遺産が未分割でも相続税の申告期限を伸ばすことはできません。
10か月以内に相続税の申告をしないとペナルティが課されるため、遺産が未分割でも「未分割申告」として申告しましょう。
正式に遺産分割ができた際に改めて税務署に申告できます。
税務調査が入る可能性が高くなる
自身で相続税の申告を行う場合、計算ミスや判断ミスなどにより相続財産の申告漏れが多いため、税務調査が入る可能性が高くなります。
ミスとはいえ、申告漏れがあると追加課税になるため注意が必要です。
まとめ
相続税申告は自分で行えますが、複雑な手続きがともない、申告漏れが生じることもあります。
申告漏れがある場合、追加課税の対象です。
円滑に相続税申告を行うため、専門家に相談することをおすすめします。